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風土はフードである
いわき地域学會代表幹事 吉 田 隆 治
戦前、長野県で教鞭をとった地理学者に三澤勝衛(1885~1937年)がいる。徹底したフィールド ワークから独自の風土学を打ち立てた。
三澤のいう「風土」とは、大地の表面と大気の底面(宮沢賢治のことばでいえば、「気圏の底」) が触れあうところである。平地や丘、山、斜面、谷などと光や雨、風、その他さまざまな自然現象 が関係し合い、そこにしかない風土が生まれる。その風土を深く知ることが、自然を活用した産業 を育てる基礎になる――。ローカリズムに立脚した三澤の風土産業論が、今の時代、深く、静かに 受け入れられつつあるように感じる。
〈雨も、雪も、風も、寒さも、さては、山も河も、なにも自然という自然に悪いものは一つもな いはずであります。善悪はただ人間界だけの問題であります〉(三澤)。3・11 を経験した今、私 はこの一文に強く同意する。
そのうえでいうのだが、自然の営みを深く知ること、それを知ることで同じ地域、あるいは隣り 合う畑であっても「適作」が違ってくること、その違いに根ざした農の営みが大切になってくるこ とを、三澤風土学は教える。
それを根底に置いての語呂合わせである。「風土はフードである」。昔野菜と伝統食の関係に思い をめぐらすとき、いつもこの言葉が頭に浮かぶ。
フード(農作物・魚介類・鳥獣・山菜・菌類、およびそれらを加工した食べ物)は風土(地域)によっ て生み出された。栽培(採取・捕獲)~加工(調理・保存)~摂取(消費)というサイクルの輪は、 小さく近接していればいるほど好ましい。「四里四方に病なし」、あるいは「身土不二」とか「医食同源」 といわれるゆえんである。
日々、人間は自然にはたらきかけ、自然の恵みを受けながら暮らしている。ときには大きなしっ ぺ返しをくらうとしても、自然をなだめ、畏れ敬いながら、折り合いをつけてきた。「自然は寂し い/しかし人の手が加わると暖かくなる」(民俗学者宮本常一)。「暖かくなる」には「おいしくなる」 も含まれている。本書がそのことを証明している。
かつ え
春の薬膳料理 ……… 7
薬膳で内郷地区を再生 ……… 8
おかごぼうと三つ葉のサラダ
……… 9金針菜とからし菜炒め
……… 10白うどの生春巻
……… 11山うどのちらし寿司
……… 12三つ葉ときのこの卵とじ
……… 13おいしいなの抹茶ヨーグルトムース
…… 14香り豊かなレシピ 湯澤ナヲ さ ん
風土はフードである
……… 1いわき昔野菜について
……… 4目次 漬 ……… 30
初夏のフレンチ ……… 17
土にまみれるシェフ ……… 18
小白井きゅうりと
赤ピーマンソースのサラダ仕立て
………… 19あおばたとビーツの
二色冷製スープ
……… 20金時豆のスフレ
……… 22目で楽しむレシピ 是枝幸雄 さ ん 彩りフレンチ ……… 25
人を想い、向き合う料理 ……… 26
昔きゅうりのラタトゥユ
……… 27小白井きゅうりのファルス・
グラタン仕立て
……… 28ポム・パイヤソン
おくいもと小白井きゅうりのガレット仕立て
……… 29夏を味わうレシピ 湯本修平 さ ん 秋味中華 ……… 35
生産者とつながる、黒板 ……… 36
棒棒鶏 昔きゅうりともてねぎ添え
……… 37もてねぎソースの変り皮蛋豆腐
……… 38醤爆芋艿(里芋の甜面醤炒め)
……… 39乾焼洋芋蝦仁(芝エビとおくいものチリソース)
… 40 実りのレシピ 吉野康平 さ ん 今昔家庭料理 ……… 43みんなが、田舎に戻れる場所 ……… 44
もてねぎの酢味噌あえ
……… 45ひとつの鍋でエコクッキング !!
里芋のそぼろあんかけと
おかごぼうの八幡巻き
……… 46いわきとっくり芋のネバネバサラダ
……… 48冬を迎えるレシピ 遠藤美喜子 さ ん ユネスコから認定された、食への取組み ……… 50
いわきの豆と鶏のフレーグラ
……… 51もてなしの一皿 奥田政行 さ ん 生産者と共に歩んだ、震災後の道のり ……… 52
おくいものピューレとメープルサーモン
いわきワイナリーの葡萄の樹の燻製の香り
… 53おかごぼうのコンフィーと
いわき一本太ねぎのピラフ
福島牛を添えて
… 54むすめきたかのプリン
……… 55もてなしの一皿 萩 春朋 さ ん
COLUMN
農家さんに教わったこと乾
……… 56編集後記
……… 59COLUMN
農家さんに教わったことバン バン ジー
ピー タン ドウ フ
ジャン バオ ユイ ナァ テン メン ジャン
カン シャオ ヤン ユイ シャー レン
番外編
春の薬膳料理 ……… 7
薬膳で内郷地区を再生 ……… 8
おかごぼうと三つ葉のサラダ
……… 9金針菜とからし菜炒め
……… 10白うどの生春巻
……… 11山うどのちらし寿司
……… 12三つ葉ときのこの卵とじ
……… 13おいしいなの抹茶ヨーグルトムース
…… 14香り豊かなレシピ 湯澤ナヲ さ ん
風土はフードである
……… 1いわき昔野菜について
……… 4目次 漬 ……… 30
初夏のフレンチ ……… 17
土にまみれるシェフ ……… 18
小白井きゅうりと
赤ピーマンソースのサラダ仕立て
………… 19あおばたとビーツの
二色冷製スープ
……… 20金時豆のスフレ
……… 22目で楽しむレシピ 是枝幸雄 さ ん 彩りフレンチ ……… 25
人を想い、向き合う料理 ……… 26
昔きゅうりのラタトゥユ
……… 27小白井きゅうりのファルス・
グラタン仕立て
……… 28ポム・パイヤソン
おくいもと小白井きゅうりのガレット仕立て
……… 29夏を味わうレシピ 湯本修平 さ ん 秋味中華 ……… 35
生産者とつながる、黒板 ……… 36
棒棒鶏 昔きゅうりともてねぎ添え
……… 37もてねぎソースの変り皮蛋豆腐
……… 38醤爆芋艿(里芋の甜面醤炒め)
……… 39乾焼洋芋蝦仁(芝エビとおくいものチリソース)
… 40 実りのレシピ 吉野康平 さ ん 今昔家庭料理 ……… 43みんなが、田舎に戻れる場所 ……… 44
もてねぎの酢味噌あえ
……… 45ひとつの鍋でエコクッキング !!
里芋のそぼろあんかけと
おかごぼうの八幡巻き
……… 46いわきとっくり芋のネバネバサラダ
……… 48冬を迎えるレシピ 遠藤美喜子 さ ん ユネスコから認定された、食への取組み ……… 50
いわきの豆と鶏のフレーグラ
……… 51もてなしの一皿 奥田政行 さ ん 生産者と共に歩んだ、震災後の道のり ……… 52
おくいものピューレとメープルサーモン
いわきワイナリーの葡萄の樹の燻製の香り
… 53おかごぼうのコンフィーと
いわき一本太ねぎのピラフ
福島牛を添えて
… 54むすめきたかのプリン
……… 55もてなしの一皿 萩 春朋 さ ん
COLUMN
農家さんに教わったこと乾
……… 56編集後記
……… 59COLUMN
農家さんに教わったことバン バン ジー
ピー タン ドウ フ
ジャン バオ ユイ ナァ テン メン ジャン
カン シャオ ヤン ユイ シャー レン
番外編
4
いわき昔野菜について
「いわき昔野菜」。みなさんはご存じでしょうか。今、全国的に大きな盛り上がりを 見せている「在来作物(野菜)」、「伝統野菜」について、そして「いわき昔野菜」につ いてご紹介します。
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在来作物 ( 野菜 ) とは
在来作物研究の第一人者、江頭宏昌先生(山形大学農学部 准教授)が会長をつと める、「山形在来作物研究会」によると、在来作物は、「ある地域で、世代を超えて、 栽培者自身が自家採種などによって栽培・保存を続けながら生活に利用されてきた 作物」であると定義しています。
作物には、穀物、野菜、果樹、花きなどが含まれますが、野菜だけを指すときには「在 来野菜」といいます。
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伝統野菜とは
では次に、「伝統野菜」。
広い意味では「在来野菜」と同義です。しかし、近年ではブランド化を目的として、 栽培場所・栽培歴・品質基準・伝統食との結びつきなど、一定の基準を満たして認 定された野菜を呼ぶことが多くなっています。
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いわき昔野菜とは
では最後に、「いわき昔野菜」。大きく、二つの特徴があります。
① 何十年もの間、その土地で栽培され続けてきた農作物(目安は 30 年以上)。
② 親から子へと、世代を超えて自家採種や株分けによって受け継がれてきた農作物。 これらは長い年月をかけ、その土地に馴染み、地域の食文化と深く結びついてき ました。
在来作物に非常に定義は近いですが、現在いわき市には約 70 種類もの作物が確 認されています。「いわきとっくり芋」のように、ブランド化しているものもあれば、 自家消費分としてのみ作られているものもあります。そのどちらも等しく大切で、 継承・保存をしていかなければいけません。そこで私たちは、「在来作物」と「伝統野菜」 を含めた新しい呼び名「いわき昔野菜」を作り、次の世代へ繋いでいくための活動 を行っています。